用語解説

特許用語

Patent Terms

■国内優先権制度

パリ条約の優先権を利用して出願すると、基本発明の新規性を否定されることなくその後に発明した改良技術を一つの出願にまとめることができます。この利点を日本国内で出願した案件についても認めるようにしたのが国内優先権制度です。国内優先権の主張は、実施例を充実させたり、権利範囲を拡張させたり上で有効な手段となります。
例えば、ある基本発明aについて出願Aを行い、その出願後にその改良発明a'を完成した場合に、すでに出願している基本発明aについての出願Aをもとに国内優先権を主張して基本発明aと改良発明a'とを含む新しい出願A'を出願することができます。ここで、出願Aと出願A'の狭間の時期に、基本発明aが第三者により公表されても国内優先権Aを主張した出願A'の中の基本発明a'についての新規性の問題は問われなくなります。
なお、国内優先権主張をして出願A'をした場合には、その元になった出願Aは、その出願の日から1年3ヶ月を経過したときに取り下げたものとみなされます。

■出願公開

出願公開とは、出願日から1年6ヶ月経過後に、特許出願の明細書、図面等を掲載した広報を発行し、出願内容を一般に公表することを言います。出願公開前に出願の取り下げなどがあったものを除き、原則としてすべての特許出願が出願公開されます。

■審査請求

出願した発明が特許になるかどうかは特許庁の審査官による実態審査を経て判断が下されます。この実体審査を受けるためには、特許法第48条の3に定められる期間内(3年以内)に「出願審査」の請求を行わなければなりません。この期間内に出願審査請求がなされなかった出願は、取り下げされたものとみなされるので、注意が必要です。

■特許査定

審査官が審査をした結果、拒絶の理由を発見できなかった場合、あるいは拒絶理由を発見したがその通知に対して出願人から意見書ないし補正書が提出されて拒絶の理由が解消したと認められた場合には、審査官はその特許出願について特許をすべき旨の査定をします。これを特許査定といいます。
特許査定の謄本が特許出願人に送達された日から30日以内に特許料が納付されると、特許権の設定登録がなされ、特許権が発生します。

実用新案用語

Utility model Terms
  

■審査

無審査制度といっても、まったく審査がされないわけではなく、提出された書類が法に定められた様式に従って作成されているか否かの方式要件と、登録するために必要な基礎的要件を満たしているか否かの基礎的要件の審査が行われます。新規性・進歩性などの実体審査は行われません。
方式要件や基礎的要件に不備が発見された場合、通常一通の手続補正指令書で補正命令が通知されます。
この補正命令に対する応答がないときや不適法な手続である場合には、その手続は却下となります。この手続の却下部分に不備がある場合には、特許庁長官に対して行政不服審査法による意義審査法による異議申し立てをすることができます。

■補正

方式要件に関する補正は、その出願手続が却下とならない限り設定登録がなされるまで行うことができますが、明細書または図面に関する補正は、出願から2ヶ月および補正命令で指定された期間のみ行うことができます。ただし、出願時の明細書または図面に記載されていない事項を追加する補正を行った場合には、いったんは登録されたとしても、この補正が登録の無効事由となります。

■実用新案技術評価書の請求

実用新案技術評価書は、実用新案権の有効性を判断する材料として、特許庁の審査官が、出願された考案の新規性、進歩性などに関する評価を行い、これを請求人に通知するものです。請求人は何人であってもすることができ、対象となっている実用新案権が消滅したあとであっても、その実用新案登録が無効となっていない限り、いつでも行うことができます。

■実用新案権の行使

実用新案の権利を行使する場合には、実用新案技術評価書を提示して警告したあとでなければなりません。この提示やその他相当の注意をしないで警告や権利行使を行った後に、実用新案が無効となった場合には、警告や権利行使をしたことによる責めを負うことになります。

意匠用語

Design Terms

■意匠法の保護対象

意匠法で保護される意匠は、美しさや独自性のある物品の形状・模様・色彩などに関する「デザイン」です。このデザインは、人間の創造的な活動の成果としての創作であるという点では、特許法や実用新案法と共通しています。しかし、発明や考案が自然法則を利用した技術的思想であり、特許法・実用新案法がその面から保護しているのに対して、意匠法は美感の面から創作を把握し、これを保護しようという点で異なっています。

商標用語

Trademark Terms

■金銭的請求権

商標権は、商標出願を行なっただけでは発生せず、登録が認められて初めて権利を行使できます。とはいえ、商標権が発生する前に他者(第三者)に自分の商標を使われてしまうこともあります。そのような場合に行使できるのが「金銭的請求権」です。
商標出願後に他者が自分の商標を使っていることを見つけたとき、警告してもその他者が使用を続けていれば、「金銭的請求権」により自分の業務上の損失の相当額を、その他者に対して請求可能です。
ただし「金銭的請求権」は商標出願しただけではなく、商標登録を受けてからでないと行使できません。